ちょっとテクニカルなお話。
業務用の省エネエアコンは普通の業務用エアコンと何が違うか?
近年、様々な省エネタイプのエアコンが登場しています。
インバーター技術の登場で今までは常に回転数は100%で動き、設定温度に到達すると0%になっていた定速機(また温度が変わると100%動く)と比較すると、設定温度に到達するとインバーターで周波数を自由に変化させられるので、定速から高速まで回転数を自由に変えれるようになりました。一度停止した電気機器を再び動かすのが一番余計な電力が消費されるので、インバーター化により極端に動くことが無くなり、格段に省エネ性能、温度維持の性能が高くなりました。数値で表すと消費電力をおよそ60%削減できたと言われています。
そして、そこからさらに進化をして、省エネの指標のひとつにAPF値という言葉がありますが、このAPF値が高いほど省エネ性能が高く、近年の技術の発達で高くなってきております。(APF値=1年間に必要な冷暖房能力を1年かでエアコンが消費する電力量で除した数値。)また、技術だけではなく、オプションとして自動発停システム(人感センサーで人を感知した時だけ運転)や、デマンド制御機能付き(目標上限電力を設定するとサイクルで停止)等、機能として搭載している機種が増えてきています。
最近では、フィルター自動清掃機能やセンサーを利用した制御で15%前後のさらなる節電効果を図っています。
業務用の省エネエアコンにしてたらもう節電(省エネ)でやるべきことはないのか?
性能進化や様々な機能を搭載している省エネエアコンですが、節電(省エネ)ということでいうとまだまだやれるべきことはあります。なぜかというと、エアコンの命題は「冷やす」「暖める」です。その名の通りエアーコンディショナー、空気を調節することです。この「冷やす」「暖める」が命題なので、1分1秒早く冷やす・暖める、変化を少なく設定した温度を維持させる、という命題がある以上はどうしても節電(省エネ)は二の次となってしまいます。ですので、節電(省エネ)という命題で見た場合はまだまだできること、やるべきことはたくさんあります。
究極の節電は「エアコンを使わない」です(笑)。
ですが、それは絶対的に難しいことで、ここから妥協していかねばなりません。その妥協点を見つけ出したラインがやるべき節電(省エネ)ということになります。
省エネエアコンのいわゆる節電機能
前項から妥協点を見出し、搭載させたのが省エネエアコンということになりますが、現在の省エネエアコンの節電機能はというと、主にリモコンで設定する節電機能が搭載されています。
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設定温度範囲設定
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設定温度自動復帰
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切り忘れ防止タイマー
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デマンド制御設定
主に上記4点が搭載されているエアコンが多いですが、なかなか最新エアコンを入替えるには時期早々で、まだまだ普及には時間がかかります。省エネエアコンの節電機能の中でも注目は「デマンド制御設定」です。電力値を取得し、目標上限電力に近づくとインバーターの回転数が下記の通り、能力抑制をかけます。
いわゆるピークカットです。
段階的に回転数及び設定温度を制御・変更し、最終的に目標電力値まで到達してしまうと“停止”します。一般的なデマンドコントローラーも目標電力値に達すると室外機を順番に“停止”するので、途中の段階は違いますが、最終的には同じです。
前項で究極の節電は「エアコンを使わない」とお伝えしましたが、まさにこれです。妥協ではなく、目標電力値に到達したらエアコンを使えなくするという、いきなり究極まで飛び越えてしまった形です。
果たして、これでいいのでしょうか。
省エネエアコンのいわゆる節電機能とエコミラの節電の根本的な違い
そんな疑問を形にしたのが、私たちの「エコミラ®」です。
エコミラと省エネエアコンの節電機能、根本的な違いはその考え方とデマンド制御設定の問題点にあります。まず、根幹にあるのがエアコンは使わなければただの箱と思っている点です。当然、エアコンは常にエアーコンディショニング(空気調節)してなければならないと私たちは考えています。問題点としては、止めてしまっては、その付近にいる方たちは急激な温度変化を体感してしまい、再度動き出したとしてもなかなか冷えない(暖かくならない)(冷媒ガスは止めてしまった後、再度循環するまで時間を要する)などが発生しています。
さらなる問題点として、そもそも節電(省エネ)しにくい点が挙げられます。室外機=室内機ですが、個別で止めてしまうとどういう現象が起こるか、簡単にいうと周りの動いているエアコンが頑張ってしまうことがあります。止まっているエアコン付近の温度変化が生じ、それを感知して補うために動いているエアコンの回転数が上がってしまうという現象です。一般的なデマンドコントローラーでもこの現象で電気代が節約できていない、暑いなどを理由に撤去または機能停止する施設が多いです。そんな問題点を解消するにはどうしたらよいか?という部分にエコミラは着目しました。エコミラでは常にエアコンを動かしたまま節電(省エネ)するために、停止してしまうまでの回転数設定を極限まで小分けにしています。その数は40%~100%までを5%ずつ刻み、12段階としています。40%以下はエアコンの基本性能で停止となってしまいます。省エネエアコンのデマンド制御設定は基本的な出力制御設定の値のみですので大体が100・60・40・0と4段階のみで40%まではたった3段階しかありません。この小分けをすることで、目標上限電力まで行くのを未然に防ぎ、エアコンを止めないという形を実現しています。
エコミラは細かく自動で回転数を調整して節電(省エネ)をします。ここに特許を取得しています。
また、日本のエアコンメーカーであれば全てにこれが対応できるという点のほか、世界で唯一デマンドレスポンス対応の節電機器となるので、緊急時などの遠隔操作もでき、一般的な省エネエアコンとは違います。