パチンコ店その②~年間1200万円の電気代をどう削減するか?

年間1200万円の電気代をどう削減する?

前回まで(その①)のおさらい

① 経費構成で見たら水道光熱費はたった4.4%と小さく見える。人件費、機械台費で約60%。

② 光熱費は金額に直すと高額!遊技台数300台の電気代は月間100万円、年間で1200万円!遊技台数780台で月額350万円、年間で4200万円近くにまでなっている店舗様もありました。

パチンコ店の電気の内訳

まず、電気を使用する物が全電気の中でどれくらい使用しているかを多い順で思い浮かべてください。多くの方がすぐ「遊技台」を思い浮かべると思います。派手な演出で眩しい光を放ったりBGMが大音量で流れたりと、遊技台の消費電力が多いイメージの強いパチンコ店ですが、本当にそうでしょうか?

パチンコ店の電力種類(構成)

  • 遊技台(パチンコ・スロット)
  • 島設備(データランプ、JC/MC含む)
  • 自動販売機
  • 店頭(店内)LEDビジョン
  • 照明(内外)
  • 空調
  • そのほか機器(コピー機、防犯カメラ、モニターなど)

大きく分けると上記7項目に分類することができます。では、この7項目が電力のどれくらいを占めているか?本当に皆さんが思っている通り遊技台が高いのでしょうか?データを使って見てみます。

実際の電力データ

遊技台数780台、1日の電力使用状況推移グラフ(株式会社アイ・グリッド・ソリューションズ_見えタローより抜粋)

このグラフは同一年度(2018年)の年間で一番電力が“高かった日”と一番電力が“低かった日”(店休日除く)を合わせたグラフとなります。

青い線グラフ…年間で一番高かった日(2018年7月14日)

オレンジ棒グラフ…年間で一番低かった日(2018年11月15日)(通常営業日)

電力を一番使う日と使わない日でこれだけの差があります。では、一体なぜここまで差が出るのでしょうか?同じパチンコ店です、遊技台数も変更ありません。設備も全て一緒です。

答えは空調が約50%を占めていた!

上記グラフから見て取れるのは、「夏の暑い日」「空調を使用しなくても過ごせる日」の違いんです。遊技台、島設備、自動販売機、店内外照明、その他機器は1年365日常にすべてを使用します。ですので、固定電力となります。オレンジの棒グラフのが空調を使用しない、固定電力のみの日なのです!

そして・・・

青い線グラフの日は「固定電力」+「空調使用の日」なのです。

ですので、オレンジ青い線の幅(差分)が空調で使用している電力なのです。びっくりしますよね、まさかの空調が一番電力を占めているとは…。

各項目の電力比率

上記データ及び弊社のパチンコ店約2,400店舗のデータより算出した、各項目の電力構成は以下の通りです。

  • 遊技台…約20%
  • 島設備(自販機、ビジョン含む)…7%
  • 照明(内外)…20%
  • 空調…50%
  • そのほか機器…3%

最近では、照明がLEDなどに変更されているホールが多いため、空調の比率は60%を超える店舗さんも出ておりますね。また、2018年に販売された7機種の最大消費電力の平均は、待機中で63.9W、遊技中で141.8W程度。遊技機メーカーさんも、「液晶画面の大型化」、「電飾数の増加」、「盤面における装飾類の可動演出機能の増加」などに伴って待機中の電力を下げるなど省エネ機の開発をしているので、非常に省エネ遊技機となっています。

削減できるの?

遊技機メーカーさんも省エネ遊技機にしたりとしているのに300台の店舗で年間1200万円の電気代を払っている現状、はたしてこのような状況で削減が可能なのか?

次回、その③でいよいよ削減テクニックをお届けいたします。

 

 

 

このコラムを執筆した人:
営業部 原島 健司(はらしま けんじ)
パチンコ店