DR(デマンドレスポンス)とは?
DR(デマンドレスポンス)とは、ユーザーが使う電力に対して、発電所が発電する電力にゆとりがなくなったとき、ユーザーの電気の利用を削減して、発電する電力にゆとりを持たせることで、電力の安定供給に貢献する仕組みです。前回お伝えしたDER(分散型エネルギー資源)を電力システムの運用に活用する仕組みとして、日本や海外で実施されている。
日本の取り組み
日本では、2014年からDRの制度づくりが進められました。DRには大きく2つのやり方があります。
1.時間帯を決めた電力量(kWh)の取引。
2.送配電業者による調整力調達で扱われる容量(kW)の取引。
これらの取引をするためには、いくつかの制度の整備が必要です。
1.削減した電気をどう測定するのか(ベースラインの策定)
2.どのような形で通常の電気と合わせて市場で取引するのか(同時同量制度との整合)
3.参加するユーザー(産業用・業務用・家庭用)をどのように集めるのか(ユーザーへの周知)
現状のデマンドレスポンスについて
2015年にはそれらの規定したネガワット取引に関するガイドラインが制定されました。2017年からは、送配電事業者が電力システム運用のために開始した調整力公募の中でDRの応札・契約が可能となり、全国で500万kW以上の契約が成立しました。そして2018年には、電力各社の管内でDRによる調整が実際に発動されました。このように、着々と日本ではDRは進められ、実際に発動もされています。
次回は、やっと最終回です。もう少しお付き合いください。
参考に以下の説明もご覧ください。