日本一わかりやすいVPP ② 分散型エネルギー資源とは?

分散型エネルギー資源とは?

分散型エネルギー資源(DER=Distributed Energy Resource)とは何か?

いろんな所に置かれた分散化された電源のことです。大きく分けて5つあります。

1.自家発電機

2.太陽光発電

3.蓄電池

4.電気自動車の蓄電池

5.デマンドレスポンスによるピークカット

これらは、需要側(ユーザー側)に設置されることが多いので、需要側電源(DSR=Demand Side Resources)とも呼ばれています。

大型発電所と分散型エネルギー資源の違い

19世紀後半に生まれた電力技術の特徴をあげると以下の4つで、大規模な発電システムを使用して、ユーザーの消費量に合わせて発電していました。

1.集権型制御システム

2.発電所の大型化

3.送電線ネットワークの大規模化

4.配電線の自動化

しかしながら21世紀に入り、新しい要素技術や情報通信技術の登場によって、今までとは全く違った、新たな仕組みが現れました。それが分散型エネルギー資源を活用した、電力システムです。今までとは逆に、ユーザー側の電源を活用して、需給バランスをとっていく方法です。ユーザー側にあるエネルギー資源の活用にあたっては、先進の情報通信や、データー利用といったデジタル技術の利用が欠かせないため、分散型エネルギー資源自体を電力デジタル技術の一つとして捉えることもできます。

わが国の取り組み

わが国のエネルギー政策としてこれらの活動は、エネルギー・リソース・アグリケーション・ビジネス(ERAB)と呼ばれています。2016年には資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部を事務局として「ERAB検討会」が設置され、重点政策として制度や、VPP(仮想発電所)実証事業が進められています。機器や、制御システム間でデーターを安全にやり取りする情報セキュリティも重視されていて、制度とデジタル技術が一体のものとして検討されています。

次回は、

「日本一わかりやすいVPP③ 分散型エネルギーの可能性とは?」で、説明します。 

「日本一わかりやすいVPP① 概要」も参考にしてください。

このコラムを執筆した人:
網島 弘幸