SDGsは終わったのか?

SDGsは終わったのでしょうか?

最近、「SDGs」という言葉を、以前ほど聞かなくなりました。数年前までは、テレビでも企業CMでも、「SDGsへの取り組み」という言葉が毎日のように流れていました。

しかし現在は、AI、半導体、物価高、エネルギー問題など、より現実的で切迫した話題が中心になっています。

では、SDGsは終わったのでしょうか。私は、そうではないと思っています。正確には、

「理想を語る時代」から、「現実の中で実装する時代」へ変わったのだと思います。

かつてのSDGsブームでは、企業はこぞって「環境への配慮」を掲げていました。

紙を減らす。
LEDに変える。
エコバッグを使う。

もちろん、それ自体は悪いことではありません。

しかし、

何でもSDGsと言える

状態になってしまい、言葉そのものが少し空洞化していきました。

そこへ、
世界的な物価高、
戦争、
電力不足、
半導体不足、
人手不足、
そしてAIによる電力需要の急増が重なりました。企業は今、「理想」だけでは動けません。

まず、生き残らなければならないからです。その結果、省エネに対する考え方も変わり始めました。

以前は、「地球環境のために省エネをしましょう」という考え方が中心でした。

しかし現在は、

「電気料金を下げたい」
「契約電力を抑えたい」
「快適性は落としたくない」
「人手不足でも運営したい」

という、“現実的な目的” が中心になっています。

つまり、

SDGsが消えたのではありません。

“感情的なスローガン”から、
“経営課題”へ変化したのです。

実際、今の社会は矛盾に満ちています。

AIは急速に進化していますが、その裏では巨大なデータセンターが大量の電力を消費しています。脱炭素を掲げながら、世界はかつてないほど電力を必要としています。

だからこそ、これから求められるのは、

理想論だけの環境対策ではありません

現場で機能する、
実用的で、
継続可能で、
無理を強いない省エネ技術だと思います。

空調を止めて我慢する省エネではなく、快適性を維持しながら、電力を最適化する。

そうした“現実解”が、これからの時代には必要なのではないでしょうか。SDGsという言葉の熱狂は、確かに少し落ち着きました。

しかし、本当に問われ始めるのは、むしろこれからなのかもしれません

このコラムを執筆した人:
網島弘幸