「電気の使い方」が問われる時代
先日「電力基盤再構築・2026新政策」のセミナーを受講しました。専門的な内容でしたが、結論はシンプルで、
これからは“電気をどう使うか”が、コストとリスクを左右する
この一点に集約されると感じました。
この記事では、公的データも交えつつ、要点をやさしく整理します。
電力の「予備率」
電気は大量に貯めておけないため、暑さ寒さの急変や発電所トラブルに備えて、需要より少し多めに供給力を持つ必要があります。
その「余裕」を表すのが予備率です。資源エネルギー庁は、需要のブレが約3%あることから、安定供給には予備率3%が最低限必要と説明しています。

ポイント①:予備率3%は“最低限の安全ライン”
需要にはブレがあるため、余力3%を切ると“余裕がほとんどない状態”になります。
2026年の夏、東京エリアは厳しい見通し
経済産業省(資源エネルギー庁)の資料では、2026年度夏(8月)の東京エリア予備率が0.9%と、非常に厳しい見通しが示されています。
背景には、大型火力発電所の補修停止など供給力の低下要因があるとされています。
2026年度夏(8月)・東京エリア 予備率 0.9%(非常に厳しい見通し)

ポイント②:足りないのは「発電量」より“余裕”
ピーク時に余裕が薄いと、トラブルが連鎖しやすくなります。企業側も“備え”が必要です。
制度が変わるほど「使い方」で差が出る
発電所を増やすのは時間がかかります。一方で、需要側(工場・ビル・店舗など)がピークを抑えると、比較的早く効果が出ます。
たとえば契約電力を100kW下げられれば、基本料金単価しだいで年間コストが大きく変わります。
(例)契約電力100kWを下げた場合
※基本料金単価は契約メニューやエリアで異なります。ここでは計算例として、1kWあたり1,600円/月で試算します。
(“毎年必ず効く”のがポイント。設備投資の判断もしやすくなります)

ポイント③:これからは「買い方」より「使い方」
ピークをならす・制御する・自動化する。運用の質が、電気代と安定稼働に直結します。
最後に:電気は“経営に直結するインフラ”
電気は見えませんが、経営には直結します。これからの制度変更は「電力会社側だけの話」ではなく、需要家側にも確実に影響します。
だからこそ、電気を賢く使う(ピークを抑える、制御する、見える化する)ことが、リスク対策としても価値を持つ時代になってきた。
今回のセミナーで強く感じた点でした。
公的データ・参照リンク
- 経済産業省 資源エネルギー庁:今夏の電力需給及び今冬以降の需給見通し・運用について(PDF)
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/jisedai_kiban/pdf/003_03_00.pdf - 資源エネルギー庁:電力需給状況(予備率の説明・3%が最低限の根拠)
https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electricity_measures/dr/jokyo.html - 経済産業省:2025年度冬季の電力需給対策(「最低限必要な予備率3%」の言及)
https://www.meti.go.jp/press/2025/10/20251031005/20251031005.html - OCCTO:2026年度のさらなる供給力確保について
https://www.occto.or.jp/news/kyoukei_oshirase_250903_2026kyoukyuryokukakuho.html



