​【技術コラム】エコミラ導入で温度変動幅を約40%削減した事例報告

エコミラ導入で温度変動幅を約40%削減

製造現場における空調制御は、「省エネ」「快適性」「品質維持」の三要素をどう両立するかが重要なテーマです。
特に塗装ラインのように温度変化が仕上がりに直結する工程では、空調の“止めない制御”によって安定性と省エネを両立することが求められています。今回、大手製造業の塗装工程において、空調制御補助装置「エコミラ」を導入し、空調を停止させずに出力を制御する方式で運用したところ、空調室内機周辺での温度変動幅が13.5℃から8.2℃へと約40%削減されるという効果が得られました。

装置概要:エコミラとは?

エコミラは、既設空調機器に接続する出力制御型の省エネ装置です。コンプレッサーの動作を完全停止させることなく、負荷に応じて細かく出力を調整することで、省エネと快適性を同時に実現します。この「止めない制御」により、従来型のON/OFF制御による急激な温度変動やエネルギーロスを抑えることができます。

測定・実験概要

目的:エコミラ導入前後での温度変動幅の比較、および空間温度安定性の検証

測定環境

  • 対象エリア:塗装ライン(約50m)、エアコンの室内機付近
  • 測定点:エアコン室内機付近の空間温度
  • 測定機器:産業用温湿度ロガー(記録間隔1秒、精度±0.3℃)
  • 測定期間:2024年12月23日 エコミラoff 11:00~13:00、エコミラon 13:00~21:00

測定結果:温度変動幅の削減

  • エコミラ導入により、室内機周辺の温度変動幅が大幅に縮小
  • 温度制御が緩やかに行われることで、空間内の温熱環境が安定
  • 冷暖房のオンオフによる極端な温度の上下が抑えられた

 技術的考察:なぜ温度変動幅が抑えられたのか?

従来の省エネ制御は「空調の間欠運転(ON/OFF)」に依存することが多く、これが以下の問題を引き起こしていました

  • 再起動時の急速な温度変化(過加熱・過冷却)
  • 一時的なオーバーシュートによるエネルギーのロス
  • 作業者の体感ストレスの増加

一方、エコミラは出力を細かく調整しながら常時運転を維持するため、空間の温度が緩やかに変化し、温熱バランスの平滑化が実現されます。その結果、機器周辺の温度変動が大幅に緩和され、空調エリア全体が安定化しました。

副次効果:品質と作業環境にも好影響

空調の温度安定化は、塗装品質にも好影響を与えています。ライン全体での温度差が減少したことで、塗装ムラや乾燥不良の報告が減少。作業者からも「風が急に冷たくなったり、止まったりすることがなくなり、体が楽になった」という声が聞かれています。

 結論:省エネと温度安定性を両立する“止めない空調制御”

エコミラは、空調を止めずに省エネを図るという独自の制御方式によって、エネルギー効率と温熱環境の安定化の両立を実現しました。
本来の目的である省エネに加えて、温度変動幅の40%削減という副産物的な効果も得られたことは、塗装や組立といった温度に敏感な製造工程にとって非常に価値ある成果です。今後、より多くの現場においても「止めない制御」による運用が、快適で省エネかつ品質を保つ空調制御の新しいスタンダードになっていくと考えられます。

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このコラムを執筆した人:
網島弘幸