日本の電力事情について(2024年2月現在)

日本の電力事情について

日本はエネルギー資源の乏しい国であり、電力の大部分を輸入に頼っています。東日本大震災以降、原子力発電所の稼働停止や電力市場の自由化など、電力事情は大きく変化しています。2024年2月現在、日本の電力事情は以下の特徴があります。

1. 資源エネルギーの輸入依存度が高い

日本のエネルギー自給率はわずか11.8%(2021年度)と、先進国の中でも極めて低く、エネルギー資源のほとんどを海外からの輸入に頼っています。特に、電力に利用される一次エネルギーの約9割を輸入しており、エネルギー安全保障上の課題となっています。

2. 電力市場の自由化

2016年に電力小売全面自由化が実施され、電力会社を選べるようになりました。しかし、新規参入企業は少なく、競争が十分に進んでいないという課題があります。

3. 原子力発電の再稼働

2011年の東日本大震災以降、多くの原子力発電所が停止していました。しかし、2023年3月には、新規制基準を満たした大飯発電所3号機が再稼働しました。今後、安全性と経済性を考慮しながら、他の原子力発電所の再稼働も検討していく見込みです。

4. 再生可能エネルギーの導入拡大

政府は、2030年度に電源構成における再生可能エネルギーの比率を38%にする目標を掲げています。太陽光発電や風力発電などの導入が拡大していますが、安定供給への課題や電力系統の運用方法の変更など、解決すべき課題も残されています。

5. 電力料金の値上げ

燃料価格の高騰や円安の影響で、電力料金は上昇傾向にあります。家計や企業への負担軽減が課題となっています。

6. 省エネルギー

電力需給逼迫の長期的な解決策として、省エネルギーの推進が重要です。政府は、2030年度にエネルギー消費量を2010年度比で25%削減する目標を掲げています。

将来展望

日本の電力事情は、エネルギー安全保障、経済性、環境への配慮など、様々な課題を抱えています。これらの課題を解決するためには、資源エネルギーの輸入依存度を低減し、再生可能エネルギーの導入拡大を進め、省エネルギーを推進していく必要があるでしょう。

デマンドレスポンスとは 日本の電力状況(リアルタイム)-Electrical Japan

このコラムを執筆した人:
網島弘幸