南極の悲鳴:海氷消失が招くコウテイペンギンの絶滅危機
南極の海氷が消え、コウテイペンギンのヒナが全滅
2023年2月の科学誌ネイチャーに発表された報告によると、2022年南極半島西側のベリングスハウゼン海で調査された5つのコウテイペンギンのコロニーのうち、4つのコロニーでヒナが全滅していたことが判明しました。原因としては、以下の3点が考えられます。
- 海氷の減少
- 海氷が例年よりも早く分裂し、一部地域では11月までに完全に消失
- ヒナは海に落ちて溺死したり、流氷に乗って流され親鳥と離れ離れになって餓死したりするリスクが高まる
過去にない規模の繁殖失敗、コウテイペンギンの未来は?
過去にも南極大陸で繁殖失敗が観測されたことはあったのですが、散発的で発生率も低かったのですが、今回の調査では、18年~22年の間に調査された62のコロニーのうち30%が海氷の減少の影響を受けていることが明らかになりました。地球温暖化の影響が南極全体に広がっています。コウテイペンギンは繁殖に失敗すると、別の場所へ移ることでそれに順応します。しかし繁殖地全体が影響を受ければそれもできません。
2100年までに90%以上が準絶滅状態に?
地球温暖化がこのまま進行すれば、2100年までにコウテイペンギンの90%以上が準絶滅状態になるという悲惨な予測もあります。南極の海氷は過去数十年で急速に減少しており、2022年には過去最低レベルまで減少しました。南極の海氷は地球の気候システムにとって重要な役割を果たしており、その消失は地球温暖化を加速させる悪循環を生み出します。コウテイペンギンの絶滅は、南極生態系の崩壊につながる可能性があります
地球温暖化対策でコウテイペンギンを守ろう
私たちにできることとして、地球温暖化対策に以下の3点を取り組むことが重要だとおもいます。
- CO2排出量削減への意識を高め、省エネやエコな生活習慣を取り入れる
- 地球温暖化問題に関心を持ち、情報収集や啓蒙活動に参加する
- 環境問題に取り組む企業や団体を支援し、一人一人が行動を起こすことが、コウテイペンギンの未来を守ることにつながります。
南極の氷とコウテイペンギンを守り、未来の世代へ引き継ぐ
南極の美しい氷と、そこに暮らすコウテイペンギンを守り、未来の世代に引き継いでいくためには、今すぐ行動することが求められています。私たち一人一人が力を合わせれば、地球温暖化を抑制し、コウテイペンギンを絶滅から救うことができるに違いありません。南極の危機は、地球全体の問題であることを認識し、持続可能な社会の実現に向けて努力していく必要があります。
